赤ちゃんのミルクにはどんな水が使える?

赤ちゃんのミルクにはどの水に使えばいいかについて悩む方は多いと思います。水道水やスーパーで売っているミネラルウォーターなど様々な種類の水がありますがどの水を使えばいいのでしょうか?

水の種類も含めて学んで行きましょう。

飲料水にはどんなものがあるか?

飲料水には水道水、天然水、RO水、蒸留水・純水など様々な水がありますが、大きく分けて、ほとんどミネラルが含まれていない純水、微量のミネラルが含まれている軟水、ミネラルが多く含まれている硬水があります。

硬水と軟水
水はミネラルの含有量によって硬水と軟水に分かれます。
具体的には水1リットルあたりの硬度(カルシウムやマグネシウムの含有量)で決まり、120mg以上のものを硬水、120mg未満のものが軟水です。

赤ちゃんには軟水または純水を使おう

ミルクにもミネラルなどの十分な栄養が含まれています。ミネラルが豊富な硬水を使用した場合、過剰なミネラル摂取となる為赤ちゃんの体に負担がかかりやすいです。また、ミネラルがミルクの中の栄養に作用し、栄養を壊してしまう可能性があります。
ミルクを作る場合はミネラルが少ない軟水または純水を使いましょう。

水の種類とミルクとの相性

水道水

◆ミネラルについて

水道水はミネラルをあまり含まない軟水です。また、多くのメーカーが水道水のミネラルを基準にミルクの栄養を配合している為、ミネラルの含有量では水道水が最も適していると言えます。
ただし、浄水器を通した水はミネラルが追加される場合がある為注意が必要です。

◆衛生面について

水道水は厚生労働省の水道法により基準が定められています。細菌や水銀など人体に害のあるものからミネラルの含有量まで厳しく細かい基準で審査されています。よって衛生面は問題ないように見えます。
しかし、これは浄水場での水について審査するものです。水は浄水場から水道管を経て一般家庭に到達します。この過程で異物や細菌が混入するなど浄水場の時よりも水質が劣化します。また、マンションなどの集合住宅の場合、貯水槽に水を長期間保管するケースがあります。貯水する期間がある為家に届くまでに水質が劣化しやすく、貯水槽の管理状態によってはかなり不衛生になります。

◆費用について
1リットルあたり0.24円です。ミネラルウォーターを購入する場合はスーパーの2リットルペットボトルで70円〜100円なので1リットルあたり35円はかかります。他の水の100分の1以上の価格である為、圧倒的に安くすみます。

◆有害物質について

水道水を使う時の問題の一つとして残留塩素の問題があります。
浄水場では細菌を減らす為に塩素によって消毒を行います。塩素は大腸菌やコレラ菌といった様々な細菌の殺菌に有効ですが、髪や肌が荒れる、アトピーが悪化するなど、人体にも少なからず影響があります。
厚生労働省の定める水質基準では、細菌を長期的に殺菌する為に、給水栓に届いた段階でも塩素が一定以上残るようにすることが定められています。大人であれば影響は少ないと思いますが、赤ちゃんのミルクに使う場合は注意が必要です。

また、残留塩素によって発生する問題がもう一つあります。塩素と水道水に含まれている物質が化学反応を起こしてトリハロメタンという物質を発生させてしまうことです。トリハロメタンは発がん性や催奇形性の原因の一つとして疑われています。

◆水道水を安全に使う

衛生面にやや不安もあり、残留塩素やトリハロメタンの問題もある為、沸騰させてから使うようにしましょう。
沸騰させることで浄水場から給水口に到るまでに混入した雑菌もほぼ殺菌でき、残留塩素やトリハロメタンといった有害物質も除去できます。
しかし、短い時間の沸騰ではトリハロメタンが除去できないどころか逆に増えてしまうと言われています。
10分以上沸騰させることで大部分を除去できますが、確実に除去する為には20分程度沸騰させる必要があるようです。

最近は浄水器を取り付けている家庭も多いと思います。浄水器を通した場合にミネラルが追加されていないかチェックしておきましょう。

市販の水を使う

水道水ではなく市販の水を使う方法もあります。市販の水には天然水・RO水・蒸留水・純水などがあります。
水道水と比較してミネラルが多いものが多い為、購入前に必ず硬度をチェックしましょう。

▲天然水
天然水は特定の水源より採水された地下水のことです。
完全に自然なままではなく各種殺菌処理や最低限の不純物除去は行われているので衛生面も対策されています。

▲RO水
水道水や採水した水をRO膜というものを通してミネラルを含めた不純物を除去した水です。ミネラルは後から添加される場合もあります。

▲純水
不純物がほとんど入っていない水が純水です。
ミネラルもほとんど含まれていないのでミルクの作成に向いています。赤ちゃん専用の純水も市販されています。

◆ミネラルについて

天然水・RO水は硬水のものと軟水のものがあります。純水はミネラルをほとんど含んでいません。

◆衛生面について

大手の業者の天然水に関しては各種殺菌を実施や厳しいチェックを行っている為、開封するまでは問題ありません。製造後は密閉させる為、運搬中に異物や雑菌が混入する可能性はかなり低いです。開封後は空気から雑菌が混入する為、早めに使用するようにしましょう。

◆有害物質について
残留塩素やトリハロメタンといった問題はありません。しかし、保存料などに赤ちゃんには有害な物質やミルクと化学反応が起こる物質が含まれいてる可能性があります。

◆費用について

2リットルのペットボトルで70円〜100円くらいです。また、500mlのペットボトルやウォーターサーバーの水など、ものによっては1リットル100円を超えるものもあります。毎日使用した場合は費用がかなり嵩むので注意が必要です。

◆市販の水を安全に使う

硬水の水は赤ちゃんの腎臓などの内臓に負担が大きい為、必ず軟水のものか純水を使用しましょう。
開封直後であれば雑菌は非常に少ない状態ですが、開封すると空気の接触が増える為、雑菌も増えます。また、十分な殺菌を行わない業者もある為、水道水同様に加熱殺菌するとより安全に使用できます。

水道水と市販の水どちらが良い?

費用を考えると、ミルクだけの用途であれば水道水で十分なケースが多いです。加熱処理は電気ポットでもできるので手間はそこまでかかりません。
水道水を飲料水として使うことに抵抗がある方や、料理など別の用途で使う予定の方などは市販の水を使用することも良いと思います。

まとめ

・赤ちゃんのミルクは軟水か純水が良い
・水道水は軟水であり、市販の粉ミルクは水道水を基準として作っている為水道水が適している
・水道水は残留塩素やトリハロメタンといった問題がある為、20分程度の沸騰させることが必要
・市販の水を使う場合は軟水のものか純水を選ぶ
・費用は水道水が圧倒的に低い
・市販の水は水道水と比べると衛生的
・ミルクを作る場合は水道水でもOK
・料理など、他の用途で使う予定なら市販の水も選択肢に