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天然水は加熱処理のものと非加熱処理のものがある
天然水には加熱処理のものと非加熱処理のものがあります。その違いについて見ていきましょう。
加熱処理の天然水は、「85度以上の温度で30分以上加熱したもの」です。これは日本の食品衛生法によって規定されている基準です。
加熱処理した場合、より低コストで殺菌処理ができる反面水の構造が変質するデメリットがあります。
非加熱処理の天然水は、加熱処理以外の方法で殺菌や除菌を行なったものです。加熱以外の除菌方法としてオゾン・紫外線などを使用した殺菌、フィルターを通して除菌するなどの方法があります。
最低限の不純物除去と除菌を行いつつミネラルを確実に残せるのが最大のメリットです。加熱処理と比較した場合コストが高くなりやすいのがデメリットです。
天然水を加熱することによる影響とは?
ミネラルは加熱によって失われるのか?
加熱するとミネラルが壊れるという話がありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
一言にミネラルといってもカルシウムやカリウム・マグネシウムなど様々な種類があり、熱への強さも異なります。
カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなどは水の加熱程度であれば失われることはほとんどありません。
カリウムは熱の影響を受けやすく加熱を続けると減少する方向にあるようです。
また、加熱したことによりミネラルが結晶化し、沈殿してしまう場合があります。これは硬度の高い水で特に起きやすいです。
沈殿化したミネラルが再度水に溶け込むことはほとんどない為、結晶化が起きると天然水中のミネラルが減少してしまいます。
以上のように、熱の影響を直接受けるのはカリウムのみですが、結晶化が起きて沈殿化によって他のミネラルが減少することも考えられます。
溶存酸素は熱に弱い
水にはミネラルの他に酸素も溶け込んでいます。
加熱処理を行うと水に含まれる酸素も失われてしまいます。
加熱すると美味しさが損なわれる
ミネラルは水の味にも影響します。水のミネラルが加熱によって失われると水の味も損なわれます。よりおいしい水を飲みたい場合は加熱処理はない方がよいでしょう。
非加熱処理の天然水は安全?
非加熱処理の天然水を使う場合に一番気になるところは衛生面です。
いくら美味しい水と言われてもやはり衛生面をクリアしているかは気になるところです。
非加熱処理の天然水も全く殺菌処理をしていない訳ではなく、オゾンや紫外線など、加熱とは別の形で殺菌したり、フィルターで除菌したりなど衛生面は徹底されています。
衛生面に関しては加熱処理の水と非加熱処理の水で大きな差がないと言えます。
殺菌・除菌の種類
・加熱殺菌
85度以上で30分以上殺菌処理を行う方法です。加熱で殺菌を行なっているので低コストで作成できますが、ミネラルは失われやすいです。
・非加熱殺菌
オゾンや紫外線など、加熱以外の方法で殺菌を行う方法です。ミネラルはそのまま残せますが、コストが高くなりやすいです。
・フィルター除菌
こちらも加熱以外の方法で除菌する方法です。ろ過膜などのフィルターによって雑菌や不純物を除去します。
より微細なものは放射性物質などミクロレベルでの除去も可能ですが、ミネラルも除去してしまいます。
・無殺菌・無除菌の場合も
殺菌や除菌処理を一切行わずに天然そのままの状態で出荷する場合もあります。日本では無殺菌・無除菌の天然水を扱うことはほぼありませんが、海外のメーカーの商品では無殺菌・無除菌の水を扱う場合もあります。
こちらも衛生面は徹底されていますが、海外の天然水は硬水の場合が多い為、ミネラル含有量には注意しましょう。
ウォーターサーバーの場合は冷水を加熱殺菌するものも多い
ウォーターサーバーは温水はもちろん加熱殺菌されていますが、冷水についても加熱殺菌するタイプのものも多いです。
非加熱処理をうたっているウォーターサーバーであってもウォーターサーバー内で加熱殺菌されている場合があります。
ウォーターサーバーのタンク内の水を長期間加熱殺菌しないのは衛生的な問題が大きいのでここは妥協するしかないでしょう。
赤ちゃんのミルクに天然水を使う場合は加熱処理したものの方が良い?
赤ちゃんのミルクに使う水は衛生面やミネラルの含有量を考えると加熱処理した水が望ましいですが、ミルクを作る過程で加熱はするので大差はないと思います。
加熱の有無よりもミネラルの少ない軟水を選ぶことの方が大切です。
まとめ
・加熱処理の天然水は85度以上の温度で30分以上加熱したもの
・非加熱処理の天然水はオゾンや紫外線などの殺菌やフィルターでの除菌を行なっている
・加熱するとミネラルや酸素が失われる為、味は非加熱の方がおいしい
・非加熱であっても衛生面に問題がある訳ではない